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凍えた偽花に温もりを第一話
凍えた偽花に温もりを第一話
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視界がぼやけて霞む、呼気は荒くもう一定の呼吸が保っていられない。
撃たれた右腕と右足からは激痛が絶え間無く脳に送られてくる。
だけど、この痛みがあるからまだ歩けている、もし感覚が麻痺して痛みが無くなってしまえば、たちまち意識を失っていただろう。
それほどまでに疲労と寒さは私の体力を奪っていた。
幸いに止血剤が良く効いているせいで出血は無い、もうしばらくは歩けるはずだ。
そんなふうに考えながら足を引きずりながら歩く、何か考えなければたちまち意識が危なくなる。
しかし、人間というのは疲労が増せば増すほど思考が後ろ向きになる。
追っ手を撒くために入った森は自分自身の方向感覚を狂わせたし、国境の関で捕まるのを避けたから人気の無い場所を通る羽目になった。
それに、いったい生き延びて何処に行こうと言うのだろうか。
今は戦乱の真っ只中だ、何処に行っても戦場で違うことは殺す相手が猫か犬かの違いだけ。
もし、ここで人に見つかっても明らかに面倒事に巻き込まれている奴と関わろうなんて人間はいやし無いだろう。
そんなことを考えているから、私は足元に張り出している木の根に気づかずに盛大にスっ転んだ。
倒れたまま起き上がろうと力を込めるが力が入るはずが無い。
どうせ何処で死んでも同じだ、そんな思いと共に私は意識を手放した。
あたたかい。
それが意識をとりもどした時に最初に感じたことだった。
十分に暖房が効いた室内にいるみたいだった、それに体も軽いまるで分厚くて重い防寒着なんて無いかのよう。
死ぬとこんなに気持ちの良い所に来れるんだ、なんて事を思ってしまう。
視界がはっきりしてくると見慣れない天井が目に映った。
「生きてる?」
言葉が出てきたことに驚いた、あの状況で自分が生きているはずが無いと自分自身思っ...
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